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help RSS 十二月の記録(2)

<<   作成日時 : 2008/01/22 22:47   >>

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しんどい月でした。
なんか、プライベートもごちゃごちゃと忙しくて、電車の中はひたすら睡眠時間となり、本を読むという状況になれませんでした。
最少記録ですな。

明智左馬助の恋/加藤廣 2007年 日本経済新聞社 ISBN4-532-17076-9
オブリビオン〜忘却/大石直樹2006年 角川書店 ISBN4-04-873699-X

「明智左馬助の恋」
「信長の棺」「秀吉の枷」二つ続く三部作の完結ですが、事件を少し離れたところから眺めた感じです。
 光秀側から描いたというのとは少し違う。光秀の間近で、光秀が追い詰められていく様を見ていた明智光春個人の視点になる。
 特に事件に関わった訳ではなく、経緯もよくわからない。それでも信長の思惑と明智家とのすれ違い、さらに織田家中の事件(荒木村重の謀反や、中国筋の戦況、たまに訪れる信長の狂気…)明智家の内情、自身の過去、光秀の意図したものと違った「本能寺の変」へと動いてしまった事情、光秀の側近としてどうすることも出来なかった左馬助が描かれる。前二作よりは多分に明智左馬助個人の話だ。
 特に新しい謎や謎解きが提示されるわけではない。一つの物事を三つの視点から考えることによって完成すると、作者があとがきで述べているように、三作めを読み終えて、最初の謎が提示された「信長の棺」ではどうだったのかを再び確認してみたくなる。
「明智左馬助の恋」は単独では左馬助個人の話として読めば面白いが、「信長の棺」から続く重厚な謎解きを求めるには面白みに欠けてしまう。それでも、この作品を読んで改めて最初に戻るという感じが強いので、三つの視点からきっちりと納まったということなのだろう。この作品を読んで三部作として完成する大切なパーツである。

「オブリビオン〜忘却」
第26回横溝正史ミステリ大賞 テレビ東京賞受賞作品だが、私はあまりミステリという印象はなかった。なんだか不思議な雰囲気で、ものすごく好きという世界ではないが、惹かれて読み進め、確かに最後にどんでん返しがあるのだけれど、そっちの事件ではなく、もっと感情的な部分ですごく揺さぶられました。
主人公の梓は幼い頃の記憶がない。その記憶にはある事件が絡んでいた。ある日記者が梓に事件のことを口走り、それから彼女は当時の新聞等で、事件を調べ始める。
そして、今の家族が本当の家族ではないということを知り、本当の家族の遺品の中からアルゼンチンタンゴのテープを見つける。
それから、彼女はバンドネオンを習い始める。
事件のことは、確かに明らかになっていき、いろいろな人が巻き込まれていく。
だけれど、このアルゼンチンタンゴと、バンドネオンという楽器が、事件よりもずっと強烈な印象なのだ。
お兄さんが良い人で、心配になるくらい良い人。梓を支えているのは兄の良介だけれども、彼自身があまり良い人過ぎて、病気にならないか心配になってしまうくらい。
最初に、梓に事件のことを喋った記者も、もっと何かあるのではないかと思ったけれど、特に何もなかった。
そういったところで、ミステリ色があまり感じられなかったのかもしれない。

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